オン・ザ・ロード
池澤夏樹さんの個人編集とのことで
期待していた世界文学全集の第1巻です。
知識人の主人公サルと狂人ディーンの物語。
4回にわたる、車をぶっとばしてのアメリカ大陸横断は、
なんと一日で1900キロ近く移動していたりする。
そのスピード感と、走っても走ってもまだまだ続く
アメリカ大陸の大きさは圧倒的です。
最初はディーンの狂乱ぶりに
ついていけないなぁ・・と思いつつ読んでいたのだけど
だんだんとその魅力にとりつかれるというか、
どこまで行っちゃうんだろう・・という興味もあって
ぐいぐい惹きこまれてしまいました。
西部の太陽の子、ディーン。付き合うと面倒なことになるよ、とおばには警告されたが、ぼくには新しい呼び声に聞こえた。新しい地平線が見えた。若いぼくにはそれが信じられた。
(中略)
途中のどこかで女たちに、未来に、あらゆるものに会える、とわかっていた。途中のどこかできっと真珠がぼくに手渡される、とも。
原文で読めたら楽しいだろうな。
確かに世界文学全集第一巻にふさわしい
忘れられない一冊になりそうです。