マオ


 ユン・チアン『マオ 誰も知らなかった毛沢東読了。マオ―誰も知らなかった毛沢東 上
『ワイルドスワン』のユン・チアンさんの新作ということで読んでみました。


 「建国の父」と言われている毛沢東が生涯に渡って追求し続けたのは
自分自身の権力だけだった・・・ということが、
10数年にわたる調査と数百人におよぶ関係者のインタビューによって
明らかにされています。


 ライバルを蹴落とすために不必要な戦争をさせて
何千もの国民の命を見捨てたこと・・


 国中が大飢饉に陥っているにもかかわらず
他国への影響力を強めるために、大盤振る舞いの食料援助を繰り返していたことなど
衝撃的な内容ばかりでした。


 上下巻で1000ページ以上の大作。読み応えあります。
ヨーロッパ・アメリカで大ベストセラーだそうですが
中国では読まれているのでしょうか??


 エピローグで書かれている
「現共産党政権は・・全力で毛沢東神話の不朽化をめざしている」
の記述には背筋の寒くなる思いがしました。