春の雪 豊饒の海(一)
妻夫木聡・竹内結子主演の映画化で話題というので、
三島由紀夫の『春の雪』を読んでみました。
初めての三島作品なのですが
こんなにも美しい文章を書かれる方だったのですね。
日はうららかに射して、彼らの刈り上げた若々しい項に落ちた。静かな、何事もない、富み栄えた日曜日であった。それというのに、清顕は依然、水を充たした革袋のようなこの世界の底に小さな穴があいていて、そこから一滴一滴「時」のしたたり落ちていく音を聴くように思った。
決して結ばれることのない禁じられた恋・・
もちろんその悲恋部分が中心なのだけど、
輪廻転生の話とのからみや、大正の時代のうねりを感じさせる部分など
興味をそそられるところが多くありました。
映画はどうなんでしょうね〜??
先に本を読んでしまうと、清顕のような繊細さとうちに秘めた激しさを
演じられる俳優さんなんていないのでは??と思ってしまいます。
妻夫木くん、好きな俳優さんなので期待はしているのですが・・。