つなみ


 パール・バック『つなみ』を読みました。つなみ THE BIG WAVE
バックといえば、『大地』が有名ですが、
こんな短編小説があったとは知りませんでした。
しかも、この作品日本の農村が舞台です。


 農村に住む主人公のキノと、海辺に住む友達ジヤの物語。
ある日突然起こった大津波で、
ジヤは家族を奪われ、キノの家で暮らすようになります。

しかし、いつになっても、津波を境に時代は二つに分けられていました。人々は「津波の前」「津波の後」というふうに話しました。津波はみんなの人生を変えてしまったのです。


 すべてのものを失ったなかから
力強く生きていくジヤと暖かく見守るキノ。
短い、さりげない物語ですがとても心にしみる一冊でした。


 原作が書かれたのが1947年というのも驚き。
当時の作品には、北斎と広重の版画が挿絵で使われていたそうです。
こんな素敵な一冊を店頭に並べてくれていた、リブロに感謝♪
たぶん、普通に書棚に並んでいたら気がつかなかったかも〜。